TAMRON AF 24-70mm F/3.3-5.6 Aspherical(73D)
どうもSADAです。
前回、真面目にレビューすると「そういうのは求めてない」って言われてしまったので
くそー!目にもの見せてくれるわ!とジャンク漁りに行ったらあった!ありましたよ!
ほーいいじゃないか、こういうのでいいんだよ、こういうので。っていうネタに最適なのがありました。
タムロン24-70mmが0.33k!
ニーヨンナナマルというと最近のレンズっぽいですが、これは…
TAMRON AF 24-70mm F/3.3-5.6 Aspherical(73D) 仕様 (タムロンHPより抜粋)
世界に先駆けて発売された24mmから70mmまでの超広角標準ズーム。
新たに開発された直径34.5mmの大口径複合非球面レンズ(UltraAspherical)の採用で、広角ズームにありがちな歪曲収差を徹底的に補正。
さらに、後群に配置されたもう一枚の複合非球面レンズでコマフレアを効果的に抑制。
加えてオプチカルインナーフード(焦点距離連動式遮光枠)を採用するなどの徹底した内面反射防止対策を施し、コントラストが高くフレアーの少ない卓越した描写力を誇ります。
84度もの画角はパノラマサイズの写真にも最適。
ワイドで迫力のある撮影を可能にします。
モデル名:73D
マウント:ニコンAF-D / キヤノンAF / コニカミノルタAF 用
焦点距離:24-70mm
開放F値:3.3-5.6
レンズ構成:7群8枚
最小絞り:22
最短撮影距離:0.4m
ズーム形式:回転式
最大撮影倍率:1:4.7
フィルター径:62mm
フード:B7FH
重さ:270g
最大径X全長:76.4mmx59.6mm
価格:\38,000
発売時期:1994
製造終了:1999
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そうこれは!
世界に先駆けて(初じゃないんか)発売された(発売…)超広角標準ズーム!(超広角とは?)
男は初めてのレンズを欲しがり、レンズは最後のレンズになりたがる!
男は初めてに弱い、これは心躍ります!!(無理やり感が凄い)
タムロンといえばズームでしょ!
前回のエントリーで取り上げたシグマが単焦点でヒーハーしている頃、タムロンはズームレンズでえんやこらしてたって爺っちゃんが言って無かった。
この年式のタムロンといえばこのモッサイピントリングの意匠!
なんでこんなところにメーカーロゴ入れちゃったの!?
しかも凸モールド!
これはあれか?凸モールドだと金型加工が楽だからか?それともユーザーが気に入らなければ、削りおとして下さいというレンズメーカータムロンの親切心か?
うっかりレンズの上でうたた寝したらほっぺたにタムロンの烙印を押されてしまうではないか!
いや、それはそれでアリか。
うちでは娘ちゃんの粘土遊びのスタンプとして活躍中です!(嘘です)
あと、タムロンに限らずと言うか、この年代すら限らず発生するピントリング(ゴム)の白化現象が発生しています。
それに伴う微妙なベタつきも。
これはブルームと言われる現象です。
ブルーム現象
ゴムには硫黄や老化防止剤、充填剤、可塑剤といった様々な化学薬品が含まれますが、経時変化や経年劣化によりこれが製品の外に吹き出してくる現象の事です。
昔は硫黄が多量に配合されていたので硫黄が出やすく、またそれを顕微鏡で拡大すると硫黄の結晶が花が咲いたように見える事からブルーム(Bloom)と呼ばれています。
今では硫黄を補助する加硫促進剤や老化防止剤の発達により硫黄の配合量が少ないため、硫黄ではなく、主に加硫促進剤や老化防止剤がブルームしていると考えられます。
またフィギュアなどで長時間保存しておくと表面が脂ぎったようにベタベタしてくるのは、ゴムや塩ビを柔らかくするために配合される、可塑剤と呼ばれるいわゆる油が表面に出てきている状態です。こちらはブリードと呼ばれる現象です。
その他、中古カメラ界隈では加水分解と呼ばれる単語をよく耳にすることがありますが、これは先述のブルームとは全く別の老化現象です。
加水分解
加水分解とはウレタンゴムなどの化学式に含まれるエステル基に空気中の水分が結びつく事で、化学式からエステル基を奪い(意訳)、ゴムの分子を崩壊させます。
また加水分解は化学反応である為、温度と湿度が密接に関係しており温度が高いとより加水分解が促進される傾向にあります。
なので単純に防湿庫に入れておけば良いということではありません。
この加水分解は特にウレタン製品で良く使われた「エステル系ウレタン」で多く発生した為、消費者のイメージとしてはウレタン=加水分解する物のイメージが強いと思います。
ウレタン製品には別にエーテル系ウレタンと呼ばれる物があり、こちらは完全では無い様ですが、かなり加水分解に強い特性があります。
ではすべてポリエーテル系ウレタンにすれば良いかといえば、エーテル系はメリットだけではなく原材料価格(一般的にエーテル系の方が高い)や、強度などの機械的物性ではエステル系が優れる点もあるなど、一概には言えない状態です。
モルト
フィルムカメラで遮光材として良く使われている「モルト」、正式名称モルトプレンですがこれもエステル系ウレタンの発泡材であるが故に加水分解するのですが、長くなるのでそれはまた別の時にでも。
話が逸れましたが、ゴムの白化現象ブルームは一方的に悪い訳ではなく老化防止剤等は表面に出て効果を発揮するものもあるので、表面に出てゴムを守っているとも言えます。
弊害としてブルームした化学薬品自体がベタベタするのは宜しく無いですが…
何かとゴム製品をピカピカに拭きあげる人が居ますが、老化防止の点から言うとあまり良くないと思います。
老化防止剤がなくなった後はゴムの老化が始まり、ひび割れや硬化が始まります。
ゴムのコーティング剤などもありますが、表面を覆うタイプなら効果があると思いますが、下手に溶剤などで希釈されているものだとその溶剤がゴムを劣化させることもあります。
また、老化防止剤は基本的には人体に害の無いものを使用していると思いますが、直接舐めるのはやめた方が良いです。
苦味のある薬品も有りますが、そもそもこのコロナ禍で誰が触ったか分からないジャンクレンズを舐めるのはバッチ過ぎます。
SADAでもたまにしか舐めません。
では適当に作例です。
君の名はサジタルコマフレア?
左上のは突入してくる隕石ではなく、月です(笑)
決して悪くない、むしろ良い気すらしますが、Exifが広角端25mmだったり、F3.3だったりするのはご愛嬌です(笑)
もしかしてズームリングを力の限り回せば覚醒して24mmF3.3出てくる?
ゴーストも出ず良いんじゃないの?
と思ってましたけど、やっぱりでますね、ズーム操作に合わせてクラゲが行ったり来たり。
2020年も終わるというのに誰も求めていない歪曲収差テスト
24mm(25mm)→35mm→50mm→70mm
周辺減光テs(ry
24mmF3.3(25mmF3.5)→F5.6→F8.0
まとめ
ジャンクコーナーでワンコインで買えるAF24mmってある意味、貴重です。